Instagramの流行によって、
最近チェキとともににわかに売上が急増している、
フジフィルムの「写ルンです」。
10代のころからデジカメと携帯・スマホカメラばかり使っていた私も、
流行に乗って実際に使ってみました。
何が流行の鍵となっているのか、その良さを探ります。
■旅先で購入する
まず、流行している第一の理由として、
安価で、そのへんの写真店で買えるという手軽さがあります。
私は今回、京都旅行の途中、道端の小さな写真店にて
「写ルンです シンプルエース」 (37枚撮り 税込842円)
を購入しました。
「写ルンです」は袋に入った状態で販売されており、
開封後は早めにご使用ください、と注意書きがあります。
照明や日光に長時間晒すと中のフィルムが感光してしまうためです。
■撮影
撮影では拡大縮小やピントの調節はできません。
フラッシュ撮影はできます。
あとは1m以上被写体から距離を取れば、だいたいピントは合います。
夕暮れ時や日陰など薄暗いシーンでは、フラッシュを焚いたほうが綺麗に色が出ます。
■スマホカメラとの比較
今回、スマホで撮った写真と「写ルンです」で撮った画像が
どのように違いが出るのか、同じ画角で撮影して比べてみました。
撮影時の天気は曇り。スマホはAQUOS SERIE mini SHV38(筆者のもの)を使用しています。
まずひとつめ、京都・大原ののどかな里山の風景です。
スマホで撮ったものはこちら。
山の部分がやや暗くつぶれていて、田んぼの部分も、
明暗がわかりやすく、全体的にくっきりとした写真になりました。
続いてこちらは、おなじ画角で、「写ルンです」で撮影したもの。
フラッシュは焚かずに撮影しましたが、全体的に明るく、
やわらかい色合いの写真になりました。
私のスマホは、明るい場所で撮影する際、自動的に光量が絞られるため
空を含めた写真を撮る時は空以外の被写体が暗くなる傾向にあります。
「写ルンです」は光量の調節ができませんが、
昼間光でちょうど綺麗に写るような絞りに設定されているようですね。
次は、植物によって異なるさまざまな緑がたのしめる、きれいなお庭の写真です。
上がスマホで撮影したもので、下が「写ルンです」です。
この題材は好みが分かれるような結果となりました。
スマホで撮ったもののほうが、緑が深く鮮やかで、
「写ルンです」のほうはややぼんやりとした印象になっています。
「写ルンです」の独特の、
ちょっと古くなったフィルム写真のような色合いが、
活きる被写体とそうでないものがあるようです。
■「写ルンです」の色味
先程の庭の写真のように、「写ルンです」には
ちょっと色あせた写真のような仕上がりになるという特徴があります。
特に曇りの時の撮影では、デジタルだと青白みがかって
味気ない色になりがちですが、
「写ルンです」では逆に持ち味の黄色みが生きるようです。
以下は、画角は違いますが、同じ日、同じ時間帯に
同じ環境下で撮影したコスモスです。
この2枚はスマホで撮影したもの。
こちらは「写ルンです」で撮影したもので、上2枚と比べて花の色が
少し黄色っぽく、暖かみのある色になっているのがわかります。
この色は実物とは異なる色ですが、こちらの方が
暖かい、きれいな花の印象が出ますね。
■フラッシュを焚く・焚かない
また、この「写ルンです」にはフラッシュ機能がついています。
先程の写真は明るい場所で撮影したためフラッシュは使いませんでしたが、
光は足りそうだけどやや暗いという場所では、
フラッシュを焚いたほうがいいのか、
焚かないほうがいいのか。
これも楽しみ方のひとつかもしれません。
こちらは、フラッシュを焚いて撮影した、茂みの中の小川の写真です。
水や周りの植物が光を反射して、みずみずしい写真になりました。
ちなみに同じ場所でフラッシュなしで撮影したものがこちら。
かろうじて緑が見える程度です。
実際の場所はここまで暗くはないのですが、薄暗いとこのように広く潰れてしまいます。
でも、やや暗くてもフラッシュを焚かずに撮影してみた別の写真があります。
薄暗い写真になっていますが、これはこれで、
味のある写真になったように思えますが、どうでしょう?
このような色味の違いや光の具合とフラッシュの効果は、
現像してみるまでわかりません。
一度現像して、光の具合がわかったら、
また次の撮影に挑戦してみたくなります。
ピントやズーム、光量などの調節ができない分操作が簡単で、
画角のとり方次第で「味のある」写真がとれること、
フィルムカメラという特別感と手軽さが、
人気のひみつなのかもしれません。